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【1話完結】月夜

夜がきた。 君のだいきらいな夜が。 君は以前言っていたね。 「本当の自分が見えてしまうからきらい」と。 なんだかわかる気がするよ。 まっくらで何も見えない。 しかたないから暗闇を見つめる。ずっと上の方にある月を見上げる。 気がついたら、自分の内面…

【1話完結】お盆

お盆休みがやってまいりましたね。 今年もあなたのもとへ行こうと思います。 だってあなたのことが好きだから。 できれば毎日あいに行きたいのだけれど、それは、神様から禁止されているのです。 今年も、あなたの作ったきゅうりのお馬さんに乗ってまいりま…

バスに乗った時、ふと空を見た。 水色に、白い雲がぷかぷかと浮いている。 雲は白く、もくもくしている。 とても立体的だ。 わたのような、わたあめのような。 今日は、というよりも最近は、「夏」ということもあってか、暑い。 太陽の光が眩しい。 光が無数…

夏の夜、バンパネラは

ある夏の夜のことだ。ひとりの少女が高い建物の屋根のてっぺんにいる。その建物は十字架があるので、教会だろうか。 少女の頭上には満月が、金色に輝いている。少女の髪も金色で、月の光によりきらきらとさせている。 少女は、屋根から下の景色を見ていた。…

狐の嫁入り

今日、学校へ向かう途中に雨が降った。 晴れているのに。 折りたたみ傘をさすかどうか迷った。 そのときふと思った。 空が、むりして笑っているみたいだと。 そのあと、「狐の嫁入り」という言葉を思い出した。 なぜ狐なのか、よく知らないけれど、妖の世界…

雨上がり

雨上がりの空は、いつ見てもまぶしい。 青空が、太陽が、光を反射するアスファルトの地面が、何もかもまぶしい。 こんな日はいつも、空が限りなく広いことを、思い出す。 いつもは感じない、晴れの日の気持ち良さを感じる。 いつもより、日の光が強く感じる…

最近心に浮かぶ何か

誰かが傘をさしている。赤い傘。 顔はわからない。背中しか見えない。どうやら私は、その人の後ろ姿を見ているらしい。 女の子だ。プリーツのついた、黒のスカートをはいているから。夏なのだろうか。ジャケットは着ておらず、白いYシャツ姿だ。 膝小僧が少…