【1話完結】月夜

夜がきた。

君のだいきらいな夜が。

君は以前言っていたね。

「本当の自分が見えてしまうからきらい」と。

なんだかわかる気がするよ。

まっくらで何も見えない。

しかたないから暗闇を見つめる。ずっと上の方にある月を見上げる。

気がついたら、自分の内面ばっか見ている。

月が、心の鏡になっているんだ。

それで君は夜、とても不安定になるんだね。

いつもは控えめで優しいのに、夜になると急に泣きじゃくっている。僕がそばにいることを拒み始める。

けど、そんな君が、僕は好きだよ。

それが君なんだもの。

君が純粋であるという証拠だから。