秋の月に

最近、急に涼しくなった。

涼しくなったというより、むしろ寒くなった。

ちょっと前まで半袖で、「この冬またちゃんと寒くなるの?」と思うこともあったのが、まるでうそのようだ。

いまや、末端が冷えやすい両手には、手袋が欲しくなる。いずれ冬物のコートが欲しくなるだろう。

 

最近は、月がとてもきれい。

さいころからずっと当たり前に夜空にあったけれど、この寒い時期は、よりきれいな気がする。

輝き方がちがう。

輪郭がくっきりしているような気がする。

吸い込まれそうになる。

届かないとわかっているのに、手を伸ばしてみたくなる。

遅番で帰りが遅い時、空を見上げると、月がある。星も、少し見える。月の美しさに、バスに乗り遅れないようにいそいでいるのに、足が止まりそうになる。

今は当たり前にある電灯や街灯がなければ、もっと星が見えるのだろうか。

満天の星空に、恋い焦がれる自分がいる。